別れ


さよなら
さよなら
もうお別れだ

さよなら
さよなら
また会いたいね

さよなら
さよなら
僕は

僕は
男だから
泣いたりするもんか

だけど
悔しくて
寂しくて

だけど
泣いたりなんかしない
男だから

僕は
絶対に諦めない
迎えに行くよ

いつか
必ず
だから

待ってて
僕が
迎えに行くまで

だから
今は
さよならだ

さよなら
さよなら
約束だ

さよなら
さよなら
愛する人

さよなら
さよなら
また会おう

 

一万一回目


一万回ダメでも
一万一回目は
そんな歌があったっけ

僕は
ダメなやつなんだ
何をやってもうまくいかない

いつも人まかせ
これまで
たまたまうまくいっていただけ

一万回チャレンジする
そんなこともしてきてないし
楽したいと思っているだけ

だから
こんなやつに
一万一回目がやってくるはずもない

一万回チャレンジできる
そんなものがあること自体
幸せだ

だから
一万回、一万一回
チャレンジできることが幸せなんだ

僕は
十回
そうまず十回でいいから

チャレンジ
見つけなきゃ
十回なんておこがましい

チャレンジすること
それ自体できること
それがいまの僕の目標

恥ずかしくなんかないよ
一万回だって
一回だって

一緒さ
なにをやるかだ
そう

なにをやるかだ
それを見つけること
それを見つけられる自分になること

それが幸せ
それにチャレンジできること
それが僕の未来

 

 

うさぎようさぎ


僕はうさぎ
いつもキョロキョロして
辺りを伺って

ぴょんぴょん跳ねて
可愛らしさを装って
嫌われないように祈ってる

僕は人畜無害です
ただのかわいいうさぎですって
そんな風に装ってさ

こんな言い方失礼だよ
うさぎに
うさぎはもっと凛として

僕なんかより強かさ
可愛らしさは演出で
力強いの本質で

僕なんかより
僕なんかより
強いんだ

僕はどうしたのかというとさ
僕の弱さを
うさぎのせいなんかにしてさ

いつも言い訳
理由を探して
自分を肯定 バカみたい

うさぎようさぎ
僕に君の強さをください
バカにした僕を哀れに思ってください

うさぎようさぎ
哀れな僕を助けてください
お願いです

僕は哀れなんかじゃない
哀れを装う僕がいる
それが哀れと人はいう

うさぎようさぎ
こんな僕でも
生きている

うさぎようさぎ
こんな僕でも
意味がある

僕を助けてくれないか
月に連れて行っておくれ
一生懸命餅つくよ

うさぎようさぎ
お願いだから
聞いてくれ

こんな僕でも役にたつ
そんな生き方してみたい
うさぎようさぎ

 

 

僕は動き出す


池に石を投げてたら
そんなことするもんじゃない
知らない人から怒られた

別にいいじゃないか
誰かに当たるわけでもない
僕は池に投げているだけだ

知らない人は言った
池に当たっている
それは自然を壊すこと

何言ってるの
僕にはわからなかった
変な人だなと思った

知らない人は続けていった
池だって痛い
投げられた石だって痛い

池は静寂を壊され
投げられた石は
永遠に池の中

池の奥深く
太陽の日差しが届かない泥の中
永遠に閉じ込められる

それを君が
君の何もない暇つぶしが
そうさせる

わかるわからないではなく
わかろうとしない
そんことするもんじゃない

知らない人は
そう言い残すと
どこかに行ってしまった

変な人だな
そう思ったけど
僕は少し気になった

わかるわからないではなく
わかろうとしない
その言葉が気になった

僕は無意味に石を投げていた
何も考えず
何もわかろうともせず

僕は無意味に生きていた
何も考えず
何もわかろうともせず

それを指摘されたような気がした
あの人はだれだったのだろう
なぜそんなことがわかったのだろう

でも
もうそんなことはどうでもよかった
僕は動き出した

止まっていた時を進め始めた
だって
ものごとには全て意味があるのだから

だから
僕も意味のある僕になるんだ
僕は動き出す

 

 

灯台


灯台を見ると安心する
船乗りでもないのにおかしいよね
でも
灯台を見て
その下に広がる
海面を見下ろすと
地球を感じて
地面を感じて
生を感じる
そして
嬉しくなる

おかしいかな
でも
灯台
そんな僕の心を見透かしているかのように
辺り一面を照らし出し
強烈な光で
僕らの行く道を示し出し
僕らを誘導する
どこへ?
決まっているじゃないか
天国だよ
天国

そんな灯台
僕や
僕らを
導いてくれる
実は

僕は灯台になりたい
人々を
導きたい
人を安心させたい
怖さを取り払いたい

そして
みんなを天国に導きたい
そんな灯台のような存在に
僕はなりたいんだ
だから
僕は
灯台になる
人々を照らし出す
人々を導き出す
そんな僕は

そんな僕は
そのような存在
そんな僕になりたい
だから
そんな僕は
灯台
そう
灯台になるために
今日も海を見つめている
船を見つめている
僕を見つめいている
天国へ

 

素晴らしい僕ら


海を見ていた
陽の光が差し込み
深い深い海の
青さ
暗さ
たゆやかな
海面
すべてが
光り輝き
怖かった

そんな光景を見ていたら
雪が降ってきて
空を見ると
雪の中に入り込んだようで
吸い込まれるようで
僕はどうなってしまうのか
思ったけど
実は
雪は
海から
やってきたことがわかった

そう
雪は
海面から
僕に向かって
降り注いでいた
だから
僕は
雪に吹かれて
そのまま身を任して
海の上に降り立った

わかったんだ
わかっちゃったんだ
海がだれのものなのか
陽がだれのものなのか
僕は
知らなかった
素敵で
素晴らしい
この世の世界

僕は
僕らは
知っている
だから
僕らは
生きている
素晴らしい海
それは
僕の中にあった
知らなかった

僕は海
海は僕
そして
僕ら
だから
青く
陽が差し込む
そんな海と
そんな僕ら
素晴らしいじゃないか
知らなかった

 

銭湯


銭湯に行くと
広いロビーと
番台の女性

いらっしゃいませ
元気な声で迎えてくれる
優しい笑顔

脱衣所に入ると
男たち
無表情な男たち

浴槽は深く
湯は熱く
あっという間に冷えた体が温まる

幸せだ
そんなことを思い
顔を拭う

まわりには
無表情な
男たち

みな
同じように
幸せなのだろうか

隣の男に
聞いてみた
そんなことできるわけもなく

熱くなったからだを持て余し
すぐに湯から出て
脱衣所に向かう

服を着て
ロビーに出ると
目をつぶって椅子に座るひとたち

番台の女性
おつかれさま
優しく声をかけてくる

いつから
僕は
幸せを考えるようになったのだろう

知っている
僕が
幸せでなくなってからだ

幸せを求めて
ずっと
さまよい続けている

銭湯の外に出ると
冷たい北風が吹いており
寒いな

そう思ったけど
体はポカポカ
暖かく

そうか
これが幸せか
そう思ったら

おかしくて
バカみたいで
大きな声で笑ってみた