不思議なこと


不思議だ
みんな何を信じて生きているのか
それとも信じていないのか

不思議だ
相手が言うことを鵜呑みにしてはいけないのか
信じてはいけないのか

不思議だ
だってそうだろ
相手を騙すための会話なのか

不思議だ
そんなの何の意味があるっていうんだ
やるべきことをやればいいじゃないか

不思議だ
そう やるべきことがあるはず
なぜしない

不思議だ
それでうまくいかなければ
言い訳たくさん考えて

不思議だ
それに何の意味があるっていうのさ
小学生だってわかる

不思議だ
これが世の中
わからないのがバカだって

不思議だ
バカな奴が利口で
利口な奴がバカだなんて

いいじゃん
一緒じゃなくて
自分は自分で

正しいことをやればいいじゃん
不思議なのは
ほっときなよ

いいじゃん
思ったことすれば
正しいことすれば

いいじゃん
だって正しいんだもん
それが正解さ

それをしないほうが
不思議さ

 

never


love is over
そんな歌があったっけ
悲しい歌
でも僕は違うことを思っていた

life is over
これが今の僕
人を愛することさえできない
どこにも行くこともできない

over
そう
すべて終わったんだ
あとは待つだけ

待つわ
そんな歌もあったっけ
僕は何を待っているのだろう
あの人でないことは確か

待つわ
僕は受け入れる
何が起きても受け入れる
そんなわけないだろ

i am over
終わってなんかない
僕は終わってなんかいない
あきらめない

never
決して
あきらめない
まだできることがあるはずだ

僕を知っている誰かがいる限り

 

コーヒー


一杯のコーヒーを
ぐっと飲み干したら
僕はコーヒー豆になっていた

ここはブラジルだろうか
どこだっていい
暖かな場所だ

僕は広大な土地の
一本の木から生まれた
たくさんのコーヒー豆だった

汗をかいた男たちがやってきて
僕らを木からむしり取って行く
一本の木との別れ

何を言うでもなく
涙を流すわけでもなく
ただの別れ

いつの間にか
僕らはコーヒー豆になって
袋に入れられ

スーパーに陳列されて
ミルで砕かれ
粉々になって

熱いお湯を注がれ
身体中のエキスを抽出され
カップに注ぎ込まれ

知らない人間の口から
飲み込まれ
胃袋に入るのかと思ったら

飲み込んだ人間自身になっって
うまいな
そう思っている僕がいた

 


僕は騙されていた
嘘をつかれていた

僕は嘘つきだけど
嘘と知らなかった

僕に嘘をつく人は
嘘を知っていた

僕が悪いんだ
僕はそう思う

僕が間抜けなんだ
僕のせいなんだ

だから
騙されないようにしよう

そう思うけど
そうできない

なぜか
僕が間抜けだから

僕を騙そうとすること
僕に嘘をつくこと

それも
僕がいるから

僕は人を騙したりしない
僕は嘘を知っていて嘘をつかない

それでいいじゃないか
それが僕だから

 

冬眠


冬眠をする動物たちがいる
長い寒い冬を
夢を見ながら眠り続け
暖かい春に起き出す動物たち

彼らにとって
寝ている時と
起きている時
どちらが生きている時なのだろう

どっちも同じ
そうだろうね
であるならば
幸せな生き方かもしれない

僕も冬眠がしたい
気持ちのいい夢を見ながら
寒い厳しい冬を知らないまま
眠り続けたい

だって
眠っている時も
生きている時も
同じ生きている時なんだから

だから
僕は眠っていたい
ずっと
いい夢を見ながら

愛されながら
愛しながら
ずっと
そんな生き方をしてみたい

だから
僕は眠りたい
眠っていたい
幸せになりたいから

 

 

水族館


水族館
たくさんの魚が
水槽の中を泳いでいる

口をパクパクさせて
餌を求めているのか
どこに向かっているのだろう

彼らは
何を思って
泳ぎ続けているのだろう

あの太陽の眩しさ
あの海の青さ
そしてどこまでも続く海の深さ

それを知らず
いや
知っていたのかもしれない

彼らは
どこに向かっているのだろう
僕も

そう思ったら
僕は
魚になっていた

水槽の中で
あてもなく
泳ぎ続ける

一匹の魚
どんな魚なのか
オスなのかメスなのか

そんなことは関係なかった
ただ泳いでいるだけ
餌を頬張っているだけ

水槽の外に
人が見えた
こちらを見ている

目は水槽を見ているようで
そうではなく
ただ漠然と息をしているだけ

何のために水族館に来たんだろう
それより
何のために生きているんだろう

そう思って
よく見たら
僕だった

 

触れる


ねえ
僕の手を触って
僕の体を撫でて

ねえ
僕のこと好きかい
好きじゃなくてもいいさ

ねえ
触ってもいいかい
きっと気持ちいいはず

ねえ
お互いのこと
知らないよね

ねえ
僕らは
誰なんだろうね

ねえ
触ってもいいかい
触りたいんだ

ねえ
僕のことも触ってよ
ギュッとつかんでよ

ねえ
お願いだよ
僕らは愛し合っているんだ

ねえ
気持ちいだろ
僕らはこのために生まれてきたんだ

ねえ