好き


好き
大好き
君の笑顔

好き
大好き
君の喋り方

好き
大好き
君のしぐさ

好き
大好き
君の空気

好き
大好き
君の香り

好き
大好き
君の言葉

好き
大好き
君の熱

好き
大好き
君の手

好き
大好き
君と一緒の日々

好き
大好き
君のいる世界

好き
大好き
君のすべて

僕は
君が
好き

だから
行かないで
お願い

好き
大好き

 

一生


北へ向かう列車に
他に乗客はいなくて
経営は大丈夫なのだろうか
そんな余計なことを思ったり
この列車は空を飛んで
アンドロメダに向かうんじゃないか
そんなバカなことを思ったり
そんなことばかり考えてないで
もっと現実を受け入れろよ
そう思ったりしていた

車掌さんがやってきた
けれど僕には見向きもしないで通り過ぎ
いつまでたってもこの列車には
僕一人
思い返せば
ずっと僕は一人だった
そんなことはない
僕は家族に愛されて育ってきた
いつしか一人になっていただけ

だから
今日も一人
北へ向かう列車に乗って一人
行くあてなんかない
何をしたいわけでもない
誰が待っているわけでもない
そんな僕は
流す涙もとっくに枯れていて
口笛吹いて笑ってた

さあ
行こうかね
そう言って
長い旅に出た人がいた
いつになったら帰ってくるのかな
帰ってこないことをわかっていながら
いつもそんなことを思ってる
海を見て
いつまで海があるのかな
そんなことばっか考えている

思えばいつからなのか
いつからひとりぼっちになってしまったのか
寂しいと思いながら
寂しくないと装いながら
ごまかしながら生き続け
ようやく北へ向かう今日
忘れられた寂しさと
忘れられないこの気持ち
わかっていながら肯定して
明日はいいことあると願う

こんな惨めな僕なのに
いまだ稼ぐあてだけあり
小銭を持って電車に乗って
自分の馬鹿さ加減を笑っては
遠くへ行きなと思っては
枯れた涙を求めてばかり
小さなプライド捨て切れず
バカな齢を重ねてる
いつもの日々を送ってる

さあ
どうするかな
どうもしなくていいよ
尸さ
こんな僕は尸さ
さあ食べてください鳥たちよ
うまいかどうかはしりません
さっさと僕を消してくれ

ああおもしろい
この世の中
こんな僕でもご飯を食べ
ああ美味しいと思っては
いい一日だったと笑ってさ
バカな一生過ごしてる

だけど僕は知っている
こんな素敵な人生ない
こんな素敵な一生ない
知らぬが仏というだろう
お前は知らないだけなんだ
今が最高知らないで
どこかへ行こうと思ってる
どこかへ行けば
最高の
暮らしがあると思ってる

だからお前はバカなのだ
わかった僕もバカなんだ
だったらもっとましなこと
くれてもいいじゃないかしら
誰か僕を助けてよ

助けられてるの知らないで
だからバカだというんだよ
素敵な人生知らないで
知ってるくせに知らないで
この世のアホさを嘆いてる
もったいないねアホみたい
今が最高知らないで
いつまでたっても幸せな
僕の人生今日もあり
 
 

 

バカ


気がつかなかった
君がこんなに
傷ついていたなんて
僕はわからなかった
ごめん

君が泣いていること
笑っているのに
そう思っていること
僕はわからなかった
ごめん

どうしたらいい
どうしてほしい
僕にはわからない
どうしたらいい
どうしたらいいんだろう

ごめん
ごめんよ
気づかなかった
僕はいつも
僕のことばかり

君の笑顔
君の心
わからなかった
バカな僕
バカ

僕はバカ
僕は世界一のバカ
バカ
バカ
世界一の大バカ

 

おかしいかい


雪が溶けると
何が出てくるのだろうか
道路



雪の中でうずくまっていた
その時の思い
表れるのかもしれない
悲しさ
楽しさ

いいのに
ずっと雪の中にいれば
いいのに
そう思ったり
思わなかったり

だって僕は
雪の中にいたから
ずうっとうずくまって
春になるのを待ったけど
誰も呼んでくれなかった

ずっとじっとしてたら
暖かくなって
外へ出てもいいのかな
そう思ったけど
もう僕の居場所はなかった

だから僕は
ずっとうずくまっていた
雪の中に
雪がなくなっても
ずっとずっとうずくまっていた

そうしたら
僕は
僕自身は
もういないことに
なってしまっていた

僕はここにいるよ
僕はここにいるよ
なんどもなんども
大きな声で
か細い声で叫んだけど

誰も僕の声は
聞こえなかった
聞いてはくれなかった
だから
いいんだ
僕はうずくまっている
暖かくても寒くても
ずっと同じ格好で
誰にも気づかれず
そのうち

自分でも気づかず
ずっとそのまま
ずっとそのままさ
おかしいかい
おかしいよね

だけど
これが僕の一生
僕の人生
おかしいかい
おかしいよね

 

僕の詩


詩を書いてたら
何もしたくない

そんな風に思って
そんな詩を書いてみたけど

そんな詩を書いて何になるのか
そんなことに気がついて

詩を書くのをやめようかと思ったけど
詩を書くのをやめたら

本当に何も無くなってしまう
そんな気がして

詩を書いてみた
何もしたくない詩

何もしたくない詩は
何も生み出さなかったけど

何もしたくないのに
何かしてるわけで

おかしいな
やればできるじゃん

そう思ったら
できないことなんて何もない

するかしないか
その違いしかなくて

できるできないじゃなくて
するかしないかで

だったらやればいいじゃん
そんな風に思って

僕はペンと原稿用紙を持って
外に飛び出した

 

忘れる


忘れ物はなんですか
見つけにくいものですか

忘れ物はなんですか
いつも僕は探してた

無くしたものを探しては
また戻りたいと思ってた

でもいつしか気がついた
忘れ物を忘れてる

そんな僕になっていた
忘れものを忘れようと

酒をのんでは
眠りについては

忘れようとしている
僕がいた

僕の一日は
酒を飲んで眠りについて

ただそれだけ
ただそれだけの一日になっていた

忘れものはなんですか
見つけにくいものですか

忘れものがわからない
忘れたいから逃げていた

でもね
いいんだよ

忘れものを探さなくて
見つけなくてもいいんだよ

したいことして
見つけたいものみつければいいんだよ

人は忘れるために生きている
いいこといっぱいありすぎるから

楽しいことや辛いこと
楽しいことや楽しいこと

これからいっぱい見つけていこう
だからたくさん忘れましょう
 

 

色を塗る


ウイスキーを飲んでみたら
嫌なことが忘れられた

次の日になると
頭が痛くて嫌になった

嫌なこと忘れられて喜んでいたのに
僕は後悔していた

だったらウイスキーを飲まなければよかったのか
ちがうよ

ウイスキーを飲んでも飲まなくても
嫌なことは嫌なことのまま

そんなこともわからなくなっていた
僕は追い込まれていた

いったいどうしたらいいのだろう
誰かに相談してみようか

でも人に裏切られるのが怖い
というか僕にはそんな相談できる人なんていない

だからウイスキーを飲んだんだ
そんなことも忘れている

僕はひとり
僕は一人で生きていた

いいじゃないか
僕は一人で生きていく

ウイスキーだって飲む
嫌なことも楽しいこともある

それを全て受け入れて生きていく
それでいいじゃないか

バラ色の人生
だけが人生じゃない

いろんな人生がある
それでいいじゃないか

僕の人生は何色かな
ウイスキーのように琥珀色かな

そんな楽しみだってある
でも自分が塗りたいね

さあ何色に塗ろうかな
どんな絵を描こうかな