バカ


僕は純粋で利口なバカ

人の言うことを信じるバカ
それでも浅はかな人のことはわかるバカ
でも浅はかなのに政治的な人のことはわからないバカ
なんでそんなことをするのか理解できないバカ
理解できないのは正しいことだけどバカ
正しいことしているから正しいのだけどバカ
バカで利口なバカ

それが僕

利口とバカって誰が決めた?
誰が決める?
利口が利口でバカがバカかなんて
誰にもわかりやしない
決められやしない
すべて自分
自分が考えること

僕は純粋で利口なバカ

まわりの人はどう思ってる?
思ってなんかいない
みんな自分のことしか考えていない
だから
相手をバカにする
自分がよければそれでいいから

そうなんだ

だって
自分がよければそれでいいから
そのためには
相手がダメじゃなければならない
だから相手を騙して
自分にとってのバカにする
自分がよければそれでいいから

バカ

本当バカ
誰がバカ?
みんなバカ
カバに食われて死んじまえ
バカ
バカ
純粋で利口なバカ

それでいいじゃないか

 

音楽


絵を見ていた
一枚の大きな絵
緑で青くて
葉っぱや楽器が書かれていた
なぜかその絵が気になって
しばらくの間ずっと見ていた

なぜだろう
なぜこの絵が気になるのだろう
そう思ったけどわからなかった
その絵は技術的にすごいものとは思えない
僕にでもかけるんじゃないか
そんな絵だった

しばらくして
僕はその絵のことを忘れていた
いつもの日常
いつものつまらない日々が続いていた
何かしているようで
何もしていない日々

でも時々
あることに気づいて
嬉しくなった
それは
自然を見つけた時
素晴らしい自然に出会えた時

その時
僕は気づいた
あの絵の素晴らしさ
あの絵の自然を
自然の姿を描いているのではないのに
あの絵は自然だった

僕が求めているものが
あの絵にはあった
だから気になって気になって
仕方がなかったんだ
そう思ったら
僕は急に絵を描きたくなって

描こうと思ったけど
描けるわけもなくて
どうしようと考えていたら
僕はあの絵の中にいて
自然と一体となって
幸せに楽器を弾いていた

これか
これが僕が求めていた幸せなんだ
そう思ったら嬉しくて
楽しくて
どうしようもない気持ちで前を向いたら
僕のことを見ている僕がいた

 

 

負けない


今日 空を舞う鳥を見た
風に乗ってたなびく様は
まるでお正月の凧のよう

いい気持ちなんだろうな
風が心地いいんだろうな
僕のことどう思っているんだろうな

そんなこと思い見ていたら
鳥が僕を見た
悲しそうな目で僕を見た

なんでそんな目で僕を見るの
僕は聞いてみた
鳥は悲しい目でこう言った

暇を持て余している
暇じゃないのに
暇にしている

なんで何もしないのか
なんで歩いていかないのか
なんで生きているのか

食べ物だって不自由なく
毎日お風呂にも入ってる
寒くなればヒーターをつける

他に何が欲しいんだい
自分の何が不幸なんだい
こんなに幸せ謳歌して

自分は何もしないでさ
人の目ばかりを気にしてさ
大切なこと知ってるかい

鳥はこう言ったんだ
冷たい目で
僕にこう言った

その通りだ
僕はなんでもできるのに
何もしないだけ

サボっているだけ
そう
そうなんだ

鳥よ
僕は飛べないけど
なんだってできる

だから
やるよ
見ててよ

君なんかに負けやしない
僕はみんなに愛されてるから
それに気がつかないだけ

やるよ
やってやるよ
だから見ていて

君になんて負けやしない
僕は
僕は生きる

生きている
こんな幸せ
絶対に負けやしない

大空を飛ぶ君よ
僕は負けない
生き抜くんだ

 

男の道


僕はぴょん吉
ど根性でやんす
優しい人達に囲まれ
義理と人情と
愛情の中で生きてきた

それがなんだここは
嘘つきばかりで
ごまかしだらけで
誰もが相手を出し抜いて
自分さえよければと思ってる

そんな世の中
誰がした
お天道様見ているよ
胸に手を当て考えな
自分のしてること思ってみな

それなのに
いつしか悪者僕だって
なんでも失敗僕のせい
真面目に取り組み何が悪い
もたれ合いならごめんだね

こんな僕は旅に出る
誰もが知らない場所に行く
それでもあの子はわかってた
僕のするとこ見てくれてた
そんなあの子を信じては

一人で旅に向かってく
男だからね
ど根性でやんす
どっこい生きてるんだ
この世でも

いつしか迎えに行くからね
それまで待っててくれるかな
宝寿しでバイトして
人情暑く恵まれて
僕の帰りを待っててよ

僕は成長するけからね
絶対あんな奴にはならない
真面目でまっすぐ何が悪い
それで世の中変えられれば
こんな素敵なことはない

だから迎合なんてするものか
本質考え貫こう
素敵なあの子が見てくれてる
僕は信じて突き進む
それが僕らの生きる道

それが僕らの正しい道
だから信じて歩むだけ
要領なんてくそ食らえ
信じてくれる人がいる
それで十分僕の道

 

自然


君は光り輝く山を見たことがあるかい
山が光っているのではなく
山の斜面
そこにある雪が日に照らし出されて輝いている
そんな景色さ
僕は見たことがなかったね
びっくりしたよ

雪に追われた平原
そこが青空のもと
光り輝く様を見たことがあるかい
こんな青空なのに
あたり一面真っ白で
光り輝くんだ
すごいよね

僕は今まで知らなかった
こんな自然を
こんな景色を
みんなは知っていたのかな
ずるいや
もっと早く知りたかったな
彼女にも見せることができたのに

僕らはまだまだ知らないことがある
自然は僕らに全てを見せてくれる
だけど僕らは知らない
知りたいじゃないか
ねえ
そう思わないかい
僕は知りたい

だから
旅に出よう
僕と僕らが自然を知るために
たいしたことじゃない
昔の人はしていたことさ
僕らはしようと思わなければできない
そんな時代

僕らが旅に出る理由
自然と一緒になりたいから
自然になりたいから
それだけじゃダメかい
君も一緒に行ってくれるといいな
だってこんな素晴らしいこと
僕一人じゃもったいない

さあ行こう
行くよ
君と手をつないで
新しい人生を歩むんだ
僕らは自然になるんだ
自然になったらこう言うんだ
幸せだ

そう言うんだ

 

僕らの色


大空を舞う
鳥が輝いていた
三羽
光り輝きながら
黄金色に輝きながら
キラキラと
大空を飛んでいた

ユーエフオー
かと思った
その物体は
鳥だった
彼らはなぜ輝くのか
彼らは幸せなのだろうか
その姿は神々しかった

僕も輝きたい
誰からも羨ましがられ
垂涎の眼差し
そこまでいかなくても
輝きを放つ存在
そんな自分が当たり前と
勝手に誤解していた

僕は何色?
あの鳥たちのように黄金色?
それとも惨めなねずみ色?
こんな言い方をしたら
ねずみたちに失礼だね。
僕は僕色さ
それが精一杯のなぐさめ

君は何色?
僕たちは何色なんだろう?
僕らが見ている色って
本当にそのままなのかな?
それって僕らが思っているだけで
本当は違うんじゃないのか
僕らが知らない色があるんじゃないのか

だから僕らは
僕らは色を作らなければならない
チューブから絞り出すんじゃなくて
色を作るんだ
それが僕の色っていうこと
僕らの色
君の色

そう思ったら
素敵じゃないか
僕らは
今までにないものを
作り出せる存在
だから僕は僕で
僕らは僕らで

素敵な色
作り出し
塗りたくり
輝いて
あー幸せだね
そう言ってみよう
そう言えるから

 

美しい僕ら


滝を見ていた
どこからともなくやってくる水
勢いよく落ち
水しぶきがあがる
しかしそのまわりは
何事もなかったかのように
静寂のまま

この水は
どこからやってくるのだろうか
この水はどこに行くのだろうか
この静寂は
いつまでこのままなのか
僕の心は
どうしてそのどちらでもないのか

不思議だよね
自然は美しい
どんな絵画より
どんな出来事より
不思議だよね
僕や
僕らも自然なのに

なぜ僕らは
このように振る舞えないのだろう
僕らは僕らであって
それ以上でも以下でもない
だから
そんな僕らを見てもらえばいいし
何も飾り立てる必要もない

なのになぜ
僕らは人の目を気にして
人に受け入れられたいと思い
自分を偽り
相手に慮って
嘘ばかりつくのだろう
だから美しくないのだ

そう
僕らはうつくしくならなければならない
美しい僕ら
そう
僕らはなれる
なろうよ
なりたいじゃないか

美しい僕ら
それは自然
いまのままでいいじゃないか
僕は僕でいいじゃないか
君が君でいいんだよ
だから僕らは
僕らは美しいんだ