巨人
あの巨人は
僕らの前に立ちはだかり
コウイッタ
安心しなさい
守ってあげる
大丈夫だから
僕らは
気持ちよく
目をつむった
幸せがやってきた
安心して
身を任せた
僕らは
こうやって育った
幸せな牧場で
ある日
小人が目の前に現れ
コウイッタ
安心しなさい
守ってあげる
大丈夫だから
僕らは
安心して
身を任せたら
いつのまにか
小人のために
働かされていた
騙されていた
気づかなかった
僕らは幸せに生きてきたから
でも
僕らは
小人を恨まない
恨むことは
寂しい
悲しい
だから
僕らはうずくまり
耳を澄ます
そして
誓う
巨人になる
僕らが巨人になる
僕らのため
君のため
それが
生きるため
幸せになるため
それが
大人になる
そういうことだから
オトナ
僕は大人
外見はそうかもしれない
子供から見たら
立派なオトナ
子供の頃
大人はとても大きな存在
そんな存在
僕はなっているの
子供が育てられるような
立派なオトナ
子供にとって
安心できる存在
そんな存在
僕はなっているの
たぶん
なっていない
だけど
なるんだ
逃げない
ごまかさないから
まだ遅くない
立派なオトナに
僕はなるんだ
The End of the Innocence
The End of the Innocence
こんな歌があったっけ
しゃがれた声に
叙情的なピアノの音色
何かを懐かしむように
何かを訴えるように
ドン・ヘンリーは
僕らに語りかける
でも
終わりがあれば始まりもある
きっと
始まりがあったはず
僕らは終わることばかりを怖がって
いまの瞬間を忘れている
いまを生きているはずなのに
いまの瞬間を感じてない
始まりを懐かしむ余裕はあっても
いまを楽しむ希望はない
innocence
僕らはもっと感じなければならない
考えるのではなく
感じる
innocence
始まりでもない
終わりでもない
いまを
それが僕らの生だから
僕は気づきたい
朝起きて太陽を見ると
元気な気分になるのはなぜだろう
公園で大きな木を見上げると
幸せな気分になるのはなぜだろう
大きな海を見ていると
僕もその一部になりたいと思うのはなぜだろう
悲しいことがあると
自分のことしか見えなくなるのはなぜだろう
悔しいことがあると
相手を憎んでしまうのはなぜだろう
幸せな時
それが幸せと気づかないのはなぜだろう
満月の夜
街が輝かいていることに気づかないのはなぜだろう
僕らは生きている
生きているけど生きていることに気づいていない
僕は気づきたい
みんなに応援されていることを
僕は気づきたい
応援してくれているみんなを
それが生きることだから
僕が僕であることだから
美しさ
雪を見ていた
部屋の窓からずっと
いつまでもいつまでも降り続く
きれいなきれいな雪
街の姿が変わっていった
神秘的な世界
雪が積もり
僕は外に出る
一歩一歩
雪の上を踏みしめながら歩く
一体これはなんだろう
ビロードのような白い粉
一体なんでこんなものが
空から降ってくるのか
科学的な理由はあるだろう
僕らは気づくべきだ
一体これはなんなのか
一体僕らはなんなのか
みんな気づいてるけど気づかぬふり
誤魔化しながら生きている
縄張り争いばかりして
自分だけが良くなりたい
そんな僕ら
雪を見て
寒いだけじゃなくて
交通渋滞ばかりを心配するのじゃなくて
もっと気づくことがある
まずはこの雪の
美しさから知ろうじゃないか
一生懸命
お腹が空いたら
何を考える?
何を食べようか
何が食べたいか
腹の大きな中年が
汗をかいている
何が食べられるか
いつ食べられるか
腹が膨らんだ子供が
焦点の合わない眼差しを向けている
僕らの世界の事実
受け止めるしかない
それに
知っているから
一生懸命だってこと
あのハゲでデブな中年のオヤジだって
一生懸命
一生懸命生きているってこと
だからもう少し
もう少し気づけばいいだけ
その一生懸命は
必ず光を放つはずだから
そして交わるときが
きっとあるから