布団の中


寒い日の朝
布団から出たくない

まだ眠い
もっと眠りたい

寒いから
もっと温まっていたいから

行きたくないから
もっと守られていたいから

布団の中は
自分のもの

自分だけのもの
永遠のもの

と思っていたら
自分だけのものではなかった

気づいた
知った

僕は僕以外のものを守るために
布団から抜け出す

気持ちいい朝だ
日を浴びて

みんなが寝ているうちに
外に飛び出す

希望の朝だ
 

 

誰だ


騙したり
騙されたり

どちらが悪い
どちらも悪い

騙されるのは無知
そんなことはない

絶対ない
そんなことはない

騙すより
騙されたい

テレビの中から
タダタダタダタダ

賑やかに
笑顔

嘘じゃない
そうかもしれない

カタログ
小さい字がいっぱい

見つからないように
気づかれないように

誰のため?
自分のため?

本当なの
それが自分のためなの

騙していることに
気づいてない

自分を騙していること
自分が騙されていること

気づいていない

騙しているのは誰だ
 

ピアノ


ピアノの音色
聞こえてくる

どこから?
どこからでもいい

エボニー&アイボリー
そんな歌があったっけ

白と黒
きれいな鍵盤

優しく撫でる
激しく叩く

気持ちや感情が
音に変化して空を舞う

もしもピアノが弾けたなら
ほんとそう思う

君に聞かせたい
僕のこころ

気づいてほしい
見つめてほしい

一心不乱に
君のために弾くから

僕のこころ
ピアノの音色

君と一つになり
この世界と一つになる

ピアノの音色
聞こえてくる

どこから?
僕のこころから

 

バナナ


バナナ
黄色くて
甘くて
モッサリしてて
柔らかな皮に包まれていて

南の島で
木にぶら下がり
たくさんの房
大切にもぎって
君にあげる

皮を剥いて
道において
スッテンコロリン
いたずら
昔の話

街角で
たたき売り
大切な大切な
高級品
昔の話

バナナ
幸せの香り
口に頬おばって
ほっぺが膨らんで
お腹も膨らんで

バナナ
君にあげる
皮も剥いてあげる
幸せの香り
わかるだろ

だって僕らは幸せだから
一緒に食べよう
スッテンコロリン
大笑いしよう
だって

僕らは幸せだから
 

それだけのこと


簡単じゃない
難しいから
楽しい
辛い
苦しい

簡単なこと
難しくないから
楽しい
つまらない
悲しい

君はどっち
どっちがいい?
どちらを選ぶ
どっちでもいい
そうだよね

簡単でも
簡単でなくても
大切なものは
大切なもの
それが大事なこと

それだけのこと
難しく考える必要なんてない
したいこと
したくないこと
一緒

それだけのこと

おとぎの国


ねえムーミン
こっち向いて
恥ずかしがらないで

ちがうよ
恥ずかしいんじゃない
自信がないんだ

僕は
君を見つめる
度胸がないんだ

でも
こっち向いて
わたしを見て

大丈夫だから
安心して
わたしはあなたのものだから

おそるおそる
振り向くと
君がいた

僕は顔をかくし
うつむいて
こういった

ありがとう
でも
さよなら

僕は
おとぎの国に帰るんだ
だいじょうぶ

友だちがいる
そして
君の思い出がある

ありがとう
ありがとう
さよなら

さよなら

 

sukiyaki


すき焼きは
なぜすき焼きというのだろう

すき焼きは
特別な日の食べ物

ぐつぐつ
笑顔

たまご
溶いて

たのしい
美味しい

そう
美味しいだけでない

楽しい
嬉しい

そんな食べ物
一番

僕にとっての
家族にとっての

そんな食べ物
一番

だから
君にも伝えたくて

さあ
今日はすき焼きだよ

とっておきのお肉で
たくさん食べよう

みんなで
一緒に

今日は
特別な日

最後の日