世界

 

草花は生きている

当たり前だけど

生きている

 

あの森だって生きている

力強い大きな木

木漏れ日を輝かせている彼ら

 

彼らには何が見えているのだろう

彼らには何があるのだろう

僕らと何が違うのだろう

 

髪の毛って不思議だよね

僕らは生きていて

だから髪の毛も伸びる

 

けれど髪の毛には意識がない

切っても切られても痛くない

だけど僕らが死ぬと髪の毛も死ぬ

 

あの葉っぱや花も同じではないか

この地上にあるもの見えるもの

それは僕らで言う髪の毛と同じもの

 

だから切られても

摘まれても

なんとも思っていない

 

根っこ

そう根っこが彼ら

土の中に彼らの世界がある

 

根っこは絡み合い

話し合い

育てあっている

 

きっと話し合ったり

愛し合ったり

素敵な出会いもあるのだろう

 

僕らの見えない世界

知らない世界

この地上や空だけではない

 

世の中はフシギダネ

そうかそうか

セミとはそういうことだったのか

 

不思議で

愛おしくて

だからこの世は面白い

眠り

 

寝るの

楽しい

 

寝るの

嬉しい

 

だから

いつも

寝ていた

 

寝るの

気持ちいい

 

寝るの

幸せ

 

だから

はやく

寝たかった

 

いつも

いつまでも

寝ていたかった

 

寝てるときの

僕は

僕なのだろうか

 

起きてない時

それは

僕なのだろうか

 

僕は

いま

起きているのだろうか

 

本当は寝ているんじゃないか

僕は

誰だ

僕は自分を信じる

 

ズルい

なぜ

みんな

騙そうとするの

 

騙そうと思ってない

それが本当のこと

そう

思っているの?

 

騙そうとしている

そう思う

僕が

ちがうの?

 

でも

僕は

何回も

騙されてきた

 

人が笑うと

笑ってしまう

僕がいて

いつも泣いていた

 

ズルい

そんなのズルいよ

それが

仕事?

 

騙してなんかいない?

自分にとっての真実?

じゃあ

真実ってなに?

 

人によって

違うの?

真実は

たくさんあるの?

 

僕は僕にとっての真実を信じ

人はその人にとっての真実を信じる

本当?

本当なの?

 

そんな世界

おかしい

ズルい

そんなのズルい

 

それが世の中

でも僕は

思う

真実はひとつ

 

だから

僕は

僕の信じる真実を

信じる

 

 

騙されないことより

騙さないこと

僕は

信じる

 

真実は

ひとつだから

僕は

自分を信じる

 

 

鳥籠

 

へやの片隅には鳥籠があった

うちにはインコがいる

 

インコは窓越しに外を見ていた

窓には自分の姿が写っている

 

インコは何を思うのか

僕らと違う自分の姿

 

そして部屋の外

大空を飛び回る自分に似た姿

 

自分はなぜここにいるのか

仲間と一緒に空を飛べないのか

 

ここから出してほしい

空を飛ぶ誰かに助けを求めているのか

 

わからない

インコはじっと外を見つめている

 

鳥籠から出たいのかな

自由になりたいのかな

 

わからない

何も考えていないのかもしれない

 

自由を知らないから

それは僕らも同じ

 

この家は鳥籠かもしれない

僕らが知らないだけ

 

インコのいる鳥籠と同じ

僕らは何も考えていない

 

僕らは鳥籠の中にいいる

僕らは知らない

 

僕らは気づかない

日記

 

新聞

文字

たくさんたくさん

埋め尽くされている

 

いったい

いつ

誰が

書いたのだろう

 

こんなにたくさんの

文字

いつの間に

誰が書いたのだろう

 

その内容は

毎日の出来事

毎日起きたこと

日記みたいなもの

 

そう

みんなが分担して

日記を

書いている

 

その日記は

自分のことではなく

人のことだけを書いている

大きなお世話だ

 

僕らはそれを見て

人のことを知って

世の中を知る

大きなお世話だ

 

書く人も

書かれる人も

読む人も

大きなお世話だ

 

自分のこと

もっと自分のこと

考えればいいのに

だから

 

僕は

今日から

日記を書くことにした

毎日

 

僕の日記は

これだった

ようやく

ようやくわかった

 

 

 

幻想

 

飛行機が飛んでいた

大きな大きな

真っ白な飛行機

 

鳥かと思った

羽ばたくように

飛んでいた

 

飛行機は

大きなお腹を見せて

そこから何かが出てきた

 

その何かは

空中で大きく煌めき

僕らはいなくなってしまった

 

ということはなくて

その飛行機は

どこかに行ってしまった

 

その飛行機は敵だったのだけど

今は味方らしい

どこかに行ってしまった

 

本当だろうか

敵だったのに今は味方

いつかまた敵になる

 

その時

あの鳥のような飛行機は

お腹から何かを放り出すのだろうか

 

いつかと同じように

僕らは空を見上げ

僕らはいなくなってしまうのだろうか

 

かつての敵は

味方であり

敵になる

 

幻想

僕らはいったい何を

信じているのだろう

 

 

サーファー

 

ビッグウエーブ

じゃなくても

 

あの波に乗ることができたら

どんなに楽しいだろう

 

サーフィン

あこがれ

 

でも僕は泳げない

運動神経も悪い

 

なんといっても怖いし

臆病だから

 

できない

一度もやったことない

 

でも

いつも思っていた

 

あの波に乗れたら

どんなに楽しいだろう

 

隣の車

大きなサーフボードを積んでいた

 

その車は

普通のセダン

 

一緒じゃん

僕の車でもできる

 

行ける

今からでも行ける

 

僕は

波に乗りたかった

 

変わる

きっと何かが変わる

 

僕は

サーファーだ

 

サーファーなんだ

みんなに言ってやる

 

大きな声で

みんなに言ってやる

 

考えるだけで

楽しい

 

僕は

サーファーなんだ

 

あの波に乗ることができたら

どんなに楽しいだろう

 

いつか

できたらいい

 

とっておきの

僕の目標

 

僕は

サーファーなんだ