たい焼き

 

いったい何が変わって

何が変わっていないのだろう

 

そんなことまで

わからなくなってしまって

 

いつもの毎日を

ただ繰り返し続けているだけで

 

そんな僕らは鈍感になって

鈍感にならないと生きていけなくて

 

誰かの言うことを真に受けて

それが素晴らしいことだと思って

 

それが幸せだと思って

それが相手の幸せだと気がつかないで

 

その相手だって

それが自分の幸せだと気が付かなくて

 

僕らはただただここにいるだけで

そんなこともわからなくなってしまって

 

それなのに

僕らは幸せを追い続けていて

 

いったい僕らはどこに行こうとしているのだろう

いったい僕らは

 

誰なんだ

 

 

小鳥

 

小鳥が飛んできて

僕の手にとまった

 

あたたかい

思いがけない感触

 

鳥の足は冷たい

勝手な想像

 

だってごらんよ

そんな感じするだろ

 

それとも

僕の心がそう思わせたのか

 

生きているものの

暖かさを忘れてしまっていたのか

 

小鳥は僕を見て微笑んだ

ように見えたけど

 

ピッと鳴いて

飛んでいってしまった

 

ピッと鳴いた

だけだけど

 

何かを伝えに来てくれた

そんな気がした

僕はいい子

 

焚き火

 

最近見ないね

葉っぱの中に焼き芋

 

夕方になると

あちこちから煙

 

晩御飯の匂い

 

味噌汁や焼き魚の匂い

近所を歩くと漂ってくる

 

夕飯の時間を知る

幸せの香り

 

新聞配達のバイク

 

カタカタカタカタ

キッキー

 

ポストに入れる音

朝の始まるを知らせる

 

玄関が開く音

 

ホッとする瞬間

安心が帰ってくる

 

僕はいい子

いつまでもいい子

 

時代は変わる

 

便利な世の中

モダンな世の中

 

暮らしも変わる

幸せも変わる

 

でも人は変わらない

 

僕は変わらない

僕は僕だから

 

僕はいい子

いつまでもいい子

 

僕らはひとつ

 

不思議だ

 

太陽はなぜ燃えている

宇宙空間に酸素はない

なのになぜ燃えている

 

太陽がいるから

 

この世にあるものがわかる

暖かさを知ることができる

夜があることを知る

 

夏があって冬がある

 

あんなに暑かった夏の日が

いつの間にか記憶から消え去り

凍える体を温めている

 

眠っている僕は眠っているのか

 

疲れたから寝る

眠いから寝る

僕の心臓は動き続ける

 

太陽は心臓なのか

 

太陽が燃え続けることで僕らは生きている

僕らがいなくなっても太陽は燃えている

僕らはひとつの細胞なのかもしれない

 

宇宙

 

僕は僕自身が僕だと思っているけれど

僕らは生かされている

起きていても眠っていても死んでいても

 

僕らはひとつ

 

宇宙の中に僕らはいるようだけれど

僕らが宇宙なんだ

あの太陽も月もそしてこの地球も

 

だから大丈夫

 

空を見て美しいと思い

太陽の日差しに暖を取り

僕や僕らを好きになる

 

僕らはひとつ

僕らは宇宙

 

空の青はなぜ青い

漂う雲はなぜ白い

僕らの血はなぜ赤い

 

僕らの血管

つなぎ合わせると

どのくらいの長さか知ってる?

 

この間テレビでやってた

地球二周半

信じられるかい

 

空の青はなぜ青い

きっと青くない

僕らが見ている空は宇宙だから

 

僕らは僕らのことを人間だと思っているけど

僕らの中には地球を二周半も旅する

すごい僕らがいる

 

そんな僕らで僕らは出来上がっている

僕だけじゃあない

君も彼も彼女もだ

 

だからこう思う

僕らは宇宙

やっとわかった

 

だから自信を持って生きることができる

僕らは宇宙なんだから

何者をも生み出せる

 

僕らは宇宙

誰のものでもない

僕だけの宇宙

僕らは何色

 

不思議なもんだ

 

同じ一対のもみじなのに

赤や黄色に色づいて

美しさを感じる僕等がいる

 

あっちの木を見てご覧

 

ついこないだまで新緑で

いまはパサパサはらはら枯れ落ちて

僕らの道を色づけてる

 

エボニー・アンド・アイボリー

 

そんな歌があったっけ

ピアノの鍵盤 僕らの肌

すべてのものには色がある

 

男と女は何色か

 

僕には見えない色がある

僕には知らない色がある

人には言えない色がある

 

あの空の青はなぜ青い

 

空の相手は誰なのか

僕らが知らないだけなのか

夕焼け色になぜ染まる

 

不思議なもんだ

 

僕らは色に囲まれて

ああ美しいと言うけれど

ほんとの美しさには気づいてない

 

僕らは一人じゃない

 

僕は何色

君は何色

僕らは美しくなりたい

 

僕らの色が見えるかい

 

僕は僕の色になる

君は君の色でいて

僕らは僕らの色になりたいよ

 

あの紅葉のように

あのピアノの鍵盤のように

あの空のように

僕らは一緒

 

土の中

覗いてみたい

 

いったい

どうなっているんだろう

 

あの木や草の根っこは

どこまで続いているのだろう

 

生き物たちは

どんな暮らしをしているのだろう

 

僕は思う

 

僕らの目に見える

あの木や草は

 

彼らのほんの一部であって

彼らの本体は土の中

 

だから

木を切られたって

 

草を切られたって

何ひとつ文句も言わず

 

ここにいる

 

僕らで言えば

髪を切ってもらうようなもの

 

知りたい

覗いてみたい

 

そう思ったけど

きっと知っている

 

目に見えるものではない

だから感じてみる

 

あの草や木に

そっと手を当ててみる

 

きっと気づく

彼らの思い

 

彼らの願い

彼らの生き様

 

僕らは

一緒