ティッシュペーパー

 

ティッシュペーパー

便利だよね

 

鼻もかめるし

涙もふける

口もふける

汚れたところがあったらサーって

そして丸めて捨てちゃう

 

こんな便利なもの

何からできているんだろう

 

誰が作ってるんだろう

駅前で配ってたりしてさ

 

ティッシュペーパーがなくなったら

僕らはどうするのだろう

 

鼻水も出っぱなし

涙も流しっぱなし

口のまわりのケチャップもそのまま

恥ずかしいね

悲しいね

 

でもそんな大切なティッシュペーパーなのに

使ったらすぐ捨てられちゃう

 

使い捨て

だから便利

 

なくては困るもの

なのに使い捨て

 

僕はやだな

ティッシュペーパーにはなりたくないな

 

だけど愛してるぜ

ティッシュペーパー

 

お前がいなきゃ

僕は生きていけない

 

だから敬うこと

忘れちゃいけない

 

なんでもそう

大切なこと

 

今日も

僕の涙を拭ってくれる

 

そんなティッシュペーパー

僕のティッシュペーパー

問題

 

帰り道ふと思う

 

僕は誰なのか

 

小学生の頃

 

そう思い

 

怖くて泣きそうになった

 

あの頃と変わらない

 

何も解決していない

 

誰も教えてくれない

 

僕はわからないまま

 

誤魔化してる

 

だから生きている

 

そんなことだけわかってきた

 

そして

 

知らないふりを覚えることで

 

生き続けていた

 

誰か教えてくれないか

 

僕の問

 

 

道端で

草を刈っている

 

匂い

草の匂い

 

生きてる匂い

死んでる匂い

 

その匂いは

清清しい

 

生きているのか

死んでいるのか

 

わからないけど

確かなのは

 

生きてる匂い

感じる僕も生きている

 

僕の匂いは

生きてるのか

 

あんなにも清清しい

草のように

 

僕は

生きているのか

 

絵の具

 

絵の具の蓋を開けたら

絵の具の匂いがした

 

僕は絵の具をキャンバスに塗りたくり

僕の手にも塗りたくる

 

色んな色

きれいな色

 

僕が見ているこの色は

誰が見てもこの色なのだろうか

 

だとしたら

僕が見てるこの世界は僕だけのものではない

 

でも違う

僕にしか見えない色がある

 

僕は僕だけの世界を生きているから

そもそも世界なんてないから

 

だから僕は知っている

僕なんていないこと

 

だからこの色は

僕だけの色

 

両手で顔を覆う

きれいな色

 

これが僕だ

 

絵を描いていた

 

誰の絵?

僕の絵

 

自画像?

違う

 

誰の絵?

僕の絵

 

僕の絵に書かれる僕は

君の見ている僕ではない

 

だって僕の絵は

僕のものだから

 

誰のものでもない僕の絵は

僕のことをよく知っている

 

誰の絵?

僕の絵

 

僕を描いた絵

だから僕の絵

 

色んな色が散りばめられて

賑やかで

 

寂しくて

嬉しくて

 

悲しい空の色

そんな絵

 

誰の絵?

僕の絵

雨の中

 

雨の中

歩いていた

傘もささずに

歩いていた

 

雨粒は

僕の頬を伝わり

首筋を伝って

僕の心に溶け込む

 

冷たくて

清清しい

春の香り

夏の匂い

 

僕は

空を見上げて

こうつぶやく

嬉しいな

 

なんで?

だって

雨が降っている

僕に降っている

 

僕は

雨に洗われる

身体を

心を

 

僕になる

僕だけの僕になる

それを雨は知っている

傘をさしてくれるのは誰