無駄なこと

 

筆箱を空けると

しばらく使っていないボールペンに気がついた

 

取り出して

文字を書いてみる

 

書きごこちがいいな

思い出した

 

だから買ったんだ

なのに使われていない

 

どうして使われていないのに

いつも持ち歩いているんだろう

 

無駄だよね

僕は気がついた

 

無駄

無駄ってなんだろう

 

僕が無駄なことをしているということは

僕も無駄なんじゃないか

 

僕だけじゃない

世の中無駄なことばかり

 

無駄な人

無駄な仕事

 

でもそれでみんな生きている

だから無駄なことなんてない

 

そんなことはない

無駄だ

 

だけど

僕は無駄なんかじゃない

 

だから

無駄なことしなければいい

 

それが

僕になるということだから

 

それで

僕は初めて僕になれるのだから

 

 

いやだなあ

学校行きたくないな

会社行きたくないな

 

何もしたくない

何もしたくないな

 

ずっと寝ていたい

ずっと眠っていたい

 

だから

そうしてみたら

 

楽しくて

楽しくて

 

なんでずっとこうしてこなかったのだろう

そう思って考えたら

 

してこなかったんじゃなくて

できなかったんだ

 

今ならできる

だからこうしてるだけなんだ

 

学校に行って

会社に行って

 

嫌なこといっぱい経験して

だからこうしているんだ

 

今日も

楽しい夢を見ようじゃないか

 

最高だ

平和が終わるとき

 

サッカーを応援する人たち

好きじゃないな

 

懸命で

一心不乱で

 

近寄りがたい

それに比べて

 

野球場は

牧歌的だよね

 

お弁当広げて

楽しくおしゃべりして

 

そう思ったら

みんな跳ねたりしゃがんだり

 

いつからこうなったの

野球もサッカーも一緒じゃないか

 

統率の取れた応援

一糸乱れぬ応援

 

そうか

みんなこうなりたかったのか

 

従いたいんだ

群れたいんだ

 

だから戦争がなくならないんだ

もうすぐゲームセットだね

発明

 

朝起きて

一杯の水を飲む

 

体の中に水が染み込み

僕と一体となる

 

この水は

僕になって何になるのだろう

 

僕は一体何からできているのだろう

そう思って外にとびだし

 

雨の中

きれいに咲いているあじさいを食べてみた

 

このあじさいは僕になる

僕はあじさいになる

 

そうかそうか

幸せってこういうことか

 

僕は発明した

山登り

 

山登りをしていたら

 

緑の中の一本道

ヘトヘトになりながら登っていたら

 

山頂が見えてきて

看板が立っていて

 

ああ

やっとついた

 

そう思ったけど

そう思っただけで

 

このあとどうすればいいのだろう

次は何を目指せばいいのだろう

 

そんなこと思って

なにか思い出した

 

ああ

そうか

僕の人生

そうなのか

 

バカだなあ

ばかだなあ

 

今ごろ気づいた

僕が何をしているか

 

光速を超えて

 

湖のほとりで

キャッチボールをしていたら

 

コロコロコロ

転がるボール

 

湖に落ちそう

慌てて僕は拾いに行く

 

全速力

いつ以来だろう

 

こんなに全力で走ったのは

いつ以来だろう

 

そう思い前を向くと

僕は湖を飛び越え山を超え

 

宇宙の果てまで行ってしまった

光の速さを超えたんだ

 

やるね

僕もやるもんだ

 

発見したよ

大笑いさ

ハッピー

 

ハッピー

 

誰が発明したのかな

この言葉

 

happy

 

なんか書くだけで

楽しくなるよね

 

この言葉がもつ力なのか

この言葉に何かを感じる僕らの力なのか

 

どっちでもいい

どっちでもいい

 

ハッピー

 

僕はハッピーになりたい

君をハッピーにさせたい

 

そんな言葉を作りたい

そんな言葉を伝えたい

 

それだけ

だから

 

ハッピー