クシャミ

 

誰だい?

僕の後ろでクシャミしてるのは

 

風邪でもひいたのかい

暖かくしてなきゃだめだよ

 

たまご酒

僕は飲んだことないな

 

葛根湯

そうそうそれがいい

 

ハクション大魔王

ハンバーグが好きだった

 

アクビ娘という子供がいた

ハクションにアクビ

 

幸せな親子だ

クシャミしたりアクビしたり

 

寝不足なんじゃないか

もっとカラダを大事にしなきゃ

 

美味しいハンバーグ

たくさん食べて

 

風邪ひかないようしなきゃ

睡眠もたくさんとるんだよ

 

幸せだなあ

幸せだなあ

 

幸せって

こういうことなんだろうな

 

風邪ひいちゃダメだよ

今日はグッスリ眠りなさい

 

また明日ね

おやすみなさい

 

散歩をしていると

しょっちゅう誰かに呼ばれる

 

おーいおーい

ちょっとまってよ

 

そんなことはお構いなしに

僕は歩き続ける

 

ある日のこと

いつものように僕を呼ぶ声がする

 

おーいおーい

僕は立ち止まり返事をした

 

するとその瞬間

僕は歩道の脇の木になっていた

 

さっきまで僕だった僕は

僕を見て笑ってる

 

そんな僕は笑いながら行ってしまった

そんな僕は今日も誰かを呼んでいる

 

おーいおーい

進化

 

ああ

面倒くさい

 

もうすべてが

面倒くさい

 

学校に行くのも

会社に行くのも

誰かと話すのも

誰かの話を聞くのも

気をつかうのも

気を使われるのも

 

そう思ってたら

僕は一本の木になっていた

 

たくさんの葉を実らし

光合成で甘い養分をつくっていた

 

どこにも行かなくていい

それどころか動かなくていい

 

さわさわと

風が気持ちいい

 

進化論

そういうらしい

 

種は生きるために

変わってきた

 

だから

僕らも変われる

 

だから

なんにだってなれる

 

君がそれでいいなら

なんにだってなれる

 

でも

その前に考えるといい

 

いまの君は

なぜいまの君に進化したのか

 

君にできること

たくさんある

 

まだまだ

たくさんある

 

それをしてみてからでも

遅くない

 

進化するのは

それからでもいいはず

 

何をするかは

君が考えること

 

それが

進化すること

新しい世界

 

運動会

子供たちの声

歓声

賑やかな音楽

マイク

万国旗

 

いつから

行われてきたのだろう

 

いつまで

行われるのだろう

 

来年

オリンピック

大きな

運動会

世界中

 

もういいんんじゃないか

もういいんんじゃないの

 

新しいことしよう

変えていこう

 

何回も

何回も

同じこと

繰り返し

そろそろやめないか

そろそろやめようよ

 

やめるのは僕ら

やるのも僕ら

 

新しい世界

つくるのは僕ら

 

自然

 

山を登っていた

登山って言ったって

ハイキングコースのあるような山

 

向こうから人が来る

こんにちは

声をかけてくる

 

こんにちは

声を返すけど

めんどくさい

 

なぜ声を掛け合う

声を掛け合わなきゃならない

気まずい

 

自然

自然じゃない

つくられたやりとり

 

自然にいるのに

自然じゃない

いつもの毎日

 

こんな日常

うんざり

挨拶なんて

 

したけりゃすればいい

したいことすればいい

自然に生きればいい

 

しなきゃいけない

誰に言われたの

誰にも言われてない

 

考えない

考えないで声が出る

自然な声が出る

 

そんな僕

そんな僕らでありたい

そんな僕らになりたい

絵画

 

絵を描くのが好きで

絵を書いていたら

 

いつのまにか

その絵の中で絵を描いていた

 

絵を描く僕を

描いているのは誰だろう

 

そう思って

気がついた

 

そうか

これが生きるってことなのか

 

なんか合点がいって

大笑いしてしまった

 

絵の中の僕は

楽しそうに笑っていた

 

綿アメみたいな雲の中

あたり一面ふかふかのベッド

 

あるはずないのに

あると思っていた

 

雲に乗って空を飛ぶ

猿じゃなくても飛べるかな

 

いつかできると思ってた

いつかしたいと思ってた

 

そんなある日

僕は雲の上から僕を見ていた

 

いつものように家の中

いつものように眠ってる

 

雲の上の僕は

街を散歩する

 

それでも

あの猿のようには動けない

 

いつの間にか

誰かの背中に飛びのった

 

街が一望できる

僕の街はこんな街だったんだ

 

初めて知った僕の街

初めて乗った誰かの背中

 

この誰かは誰なのか

雲なのかそうでないのか

 

僕は知っていたけど知らないふり

温かいその背中

 

僕はギュッと抱きしめた