踊る君
皆の注目を集めてる
君は僕を見る
一緒に踊ろうと呼んでいる
とんでもない
僕は踊れないよ
踊りも知らないし
そんな度胸もない
君は僕のところにやってきて
僕の手を引っ張る
やめてよ
みんな見てるじゃないか
君はかまわず僕の手を引っ張る
僕の手を取り踊り出す
君の胸からいい香りがする
僕は恥ずかしさと情けなさでうつむく
君は僕の耳元でこうささやいた
目をつぶって
そして私と一つになることだけを考えて
そう言って彼女は僕に身をよせ
僕の手を強く握った
僕は言われた通りに目を閉じて
彼女とひとつに溶け込んだ
くる くる くる くる
空がまわり
そのまま宙に溶けていく
くる くる くる くる
暗闇で
君の香りが目印だ
突然あかりが差し込んで
大きな音が聞こえてきた
彼女はほおを紅潮させ
楽しそうに笑っている
また踊ろうね
彼女の香りが伝えている
一緒に踊ろうね
彼女の香りが踊ってた