蜘蛛の糸


蜘蛛の糸を引っ張って
どこかに行こうと思ったら

糸がたくさんからまって
ぐるぐる巻きにされました

葉っぱの上に転がって
助けが来るのを待ってたら

途中で雨が降ってきて
葉っぱに雫がたまったよ

糸にからまり輝いて
水飴みたいに輝いて

僕の涙とからまって
ポタリと滴りおちました

だれかの傘に跳ね返り
落ちたところは水たまり

ぐるぐる巻きの僕のこと
鏡のように映し出す

彼女が僕を見つけだし
木の枝つかみ ふりまわし
僕を救ってくれました

ぐるぐる巻きの僕の身を
キレイにほどいてくれました
キレイにあらってくれました

僕は彼女にいいました
蜘蛛の糸を引っ張れば
どこか行けると思ったと

バカねと彼女は言いました
私の中に入りなさい
私と行こうと言いました

またまた涙があふれてきて
ポタリと滴りおちました
彼女のほおに落ちました