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僕の血


血が滴り落ちてきて
ケガをしていることがわかった

目の前が赤く染まっていき
意識が遠のいていくのがわかった

もしかして死んじゃうの
これが死ぬっていうこと

どこも痛くないし
なにも苦しくない

僕の体を駆け巡っていたはずの真っ赤な血が
地面を濡らし 水たまりを赤く染めていき
僕は雨が降っていることに 気づく

水たまりに溜まった僕の血は
やがて道路に流れ出し
車の水しぶきとなり飛び散った
血は道路の反対側まで届き
彼女の赤い傘まで飛んでった
彼女は気づかない
僕の血も赤い 彼女の傘も赤い
傘から雫が滴り落ちる 僕の血と一緒に
僕の血は彼女の白い頬に落ち 頬を伝い
唇に届き 彼女はそっと僕の血を舐めた
僕の血は彼女の体に入り込み
彼女と一つの血となった

彼女は僕に気づいた
驚いた顔をして
そして全てを理解したように
笑った
とても可愛くて 暖かくて 幸せそうな
とびっきりの笑顔 だった