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踊りましょう


もう夜だというのに
うっすら明るくて
おかしいなと思って
空を見上げると
まあるい月が輝いていた

いつもなら家にいる時間
今日は隣に君がいる
君だけじゃない クラスのみんながいる
夏の終わりの学校のイベント
いまどき古風な催しだ

キャンプファイヤーをやるらしい
蒔きに火をつけみな大騒ぎだ
暗い中 輪になって踊る
華やかな音楽 笑い声
無邪気だね そんな世の中じゃないってのに

その時君がやってきて
いたずらに笑い 耳元でこういった
「行きましょう」

僕らはイベントを抜け出した
山の中に入り 林道を二人で歩いた
月の明かりでまわりもまだ見えている
小高い丘のような山
山頂に出るとキャンプファイヤーの明かりが見えた

「踊りましょう」
彼女はそういい 僕の手を取り踊り出す
これってキャンプファイヤー
「いいでしょう」
交代なしよ ずっと一緒に踊りましょう

そういって二人は踊り続けた
小高い丘のような山
二人だけのキャンプファイヤー
あれから僕らはずっと踊り続けている
そう今も 彼女はこういうんだ

「行きましょう」

「踊りましょう」

「いいでしょう」

僕はなんて答えるかって?

「うん」

それだけさ