宇宙人の彼女


彼女は宇宙人だった
月からやってきたそうだ
最初に来たのは室町時代
着物が大変だったと言っていた

どうしてここにやってきたの
僕に会うためだと彼女は言った
よくわからないや
僕は告げると彼女は頷いた

私もわからないわ
無責任にも彼女はそういった
どういうこと?
僕は聞くけど彼女は答えない

彼女は黙って手を差し出した
なぜか僕はその手を頬にもってった
彼女の手は柔らかくて温かくて
僕は気持ちよくなって寝てしまった

目がさめると彼女はいなかった
僕の記憶も消したのだろう
だけどそれは失敗したようだ
僕は鮮明に彼女のことを覚えていた

僕は彼女のことをブログに書いた
みんなから馬鹿にされて炎上した
でも一人だけただひとりだけ
僕の味方をしてくれた人がいた

ある日僕はその人と会うことができた
びっくりした
その人は彼女だった
彼女は僕のことを知らなかった

彼女は僕の記憶を消したのではなく
自分の記憶を消したのだった
初めまして
僕は彼女にあいさつをした

彼女は僕に言った
あんなに素敵なブログなのに
みんなに責められて可哀想
元気を出して

僕は彼女に言った
ありがとう
それよりお腹すいてないかい
一緒にご飯食べに行こう

彼女はポカンとしていたが
なぜだか不思議とうなづいて
行きましょう
そう言ってくれた

僕らは他人で他人種で
生まれた星まで違うけど
なぜだか繋がっていて
手をつなぎながら歩き出した