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僕らの力


ドライブ
 
雨が雪に変わり
幾千もの綿が空から舞い降りるようで
窓ガラスに降ってくるその様は
神秘的で
僕の車は綿に飲み込まれ
宙に浮いて
雲の一部となるようで
怖かった
 
ドライブ
 
道路脇の木々が赤や黄色に変色し
一般には紅葉と呼ばれるその様は
とてもとても美しく
しかし圧倒的なボリュームで
道の両脇に佇むその姿は
僕の車を飲み込んでしまいそうで
そのまま吸収されてしまうようで
怖くて急いで走り抜けた
 
ドライブ
 
海岸線を走っていると
鳥の大群が押し寄せてきて
僕を車ごと持ち上げて
左からうねりくる
圧倒的な大海原に
放り出してしまいそうで
僕と僕の車は
怖かったけど
少しだけ身を任せた
 
僕らは空を飛べると思っていた
だけど飛ぶのが怖かった
飛べることを知るのが怖かった
飛べない理由を探していた
だから僕らはいつまでたっても飛べないままだった
 
僕らは飛べるのに
飛ぼうとしない
自然は僕らを優しく包み込み
彼らの世界に連れて行こうとする
僕らは抗い
僕らの殻に閉じこもる
 
僕らは僕らの力を信じるだけでなく
自然の力を信じて
自然と一体となって
自然になる必要がある
それが僕らが成長するということ
 
僕らは飛べる
なんだってできる
自然の力を感じて
自分の力を信じて
生き抜くことができる
 
それが自然なんだ
それが僕らの力なんだ