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地下鉄の駅を降り
地上に向かって
階段を上ると
寒い空気が
だんだん密度を増していき

外に出ると
しんと静まり返っているけど
なんだかざわついていて
よく見ると
街灯に

いくつもの光がきらめいて
雪が降っていることに
気づいて
その中でも
幾多の車が通り過ぎ

幾人もの人が
真っ白い息を吐きながら
どこかに向かって歩いている
ことに気づいて
僕はどこに向かっているのだろう

って思ったら
行くとこなんてないじゃない
そんなことに気づいて
どこに向かっているんだろう
と考えていたら

本当は家に帰るとこだったけど
そんなこともわからなくなり
雪が降る方向へと進みだし
雪とあいまみれているのが
楽しくなり

僕は嬉しくなって
誰かに導いてもらっているようで
どんどん
雪の降る方向へ
雪とあいまみえながら

進んだ
そして
そのまま
雪となった
僕は

風に乗り
雪と同化して
あたり一面に降り注がれ
街灯にきらめき
川に溶け落ちた

誰かの口に吸い寄せられたり
車の車輪で飛び散ったり
ただただ道に積もっていったり
僕は
ただの雪となった

ぎゅっ ぎゅっ
彼女が僕を踏みつけ
僕は彼女の靴底にくっつき
何度もなんども
離れてはくっついた

ぎゅっ ぎゅっ
彼女が僕を踏みしめるたび
彼女の靴底にくっつき
ぎゅっ ぎゅっ
彼女は僕を踏みしめた

こんなことが前にもあったな
そんなことを考えていたら
僕は目が覚めて
そんな僕は雪の中で眠っていて
確かに雪になっていた