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港に着くと
雪が降り出して
寒くて
でも青い空が少しだけ見えていて
分厚い雲の隅間から
陽が差し込み
海を照らし出すとともに
白い波と
白い雪とが
交じり合っていた

雪はだんだん強くなり
風もだんだん強くなり
寒さも身にしみてきて
これからどうしようと
思ってたら
湿原をいっせいに鳥が飛び立った

僕も一緒に飛び立とうと思ったが
飛び立てるわけもなく
でも飛び立った気になって
空から地上を見ていたら
楽しげな人々の
行き交う姿が見えてきて
そうか
もうすぐクリスマスだ
と思ったりしていたら
ひとりの
さびしくたたずむ
男を見つけ
気になって
近くに寄ってみたら
僕だった

僕は遠くを見つめて
その遠くを見つめる
目の奥に光はなく
ただ亡骸のように佇み
息だけはしているようで
惨めだった

鳥になった僕は
背中に僕を乗せて
そのまま飛び立ち
背中の僕は
暖かな鳥の背中に
まどろみながら
いつしか
白く白く
波や
雪や
鳥の羽
と同化して
白い
まっしろな
雲となり
陽の光を
あびて
泣いていた