動物園


動物園に行くと
象やライオンやキリンや猿やシマウマなど
たくさんの
動物たちがいた
檻の中にいた

動物たちは
僕らから見られ
餌を食べ
ただただ
暇たそうだった

動物たちを見ていると
かわいそうだな
そんな風に思ったけど
彼らの動作や仕草を見て
愉快だなと思った

でも違った
見ていたのは
彼らだった
見ているはずの僕らが
見られていた

あいつ一人だぜ
あの子供笑ってない
あの二人は別れるね
あの人怒ってばかり
ああ人間って滑稽だ

僕らが
見物していたはずの
動物たちは
実は
僕らを見物していた

それがわかったら
檻の中で
自由のない
悲しい動物たち
それも違くて
檻の中にいるのは
僕らだと
いうことも分かった

僕らは
毎日
同じ道を歩き
同じ場所に行き
同じようにすごし
同じ場所に帰り
同じように暮らし
同じような日々を
繰り返している

僕らは檻の中にいる
そのことに
僕らは
気づいていない
動物たちは気づいているのに

だから
僕は
檻から出ることにした
簡単なこと
みんなしてないだけ

檻から出よう
僕らは
自由
なんだってできる
それなのに
何もしてないだけ

動物園にいるのは
僕らだ
動物園を出よう
僕らにはそれができる
だから行こうよ

できるのに
しないのは
なぜ

僕らは
檻から出られることに
気づいているけど
気づきたくないだけ
出よう
出るんだ

さあ
いこう
行くよ