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はじまりの時間


彼女はめちゃモテるんだ
学校中のアイドル
僕なんて彼女を見てるだけで幸せ

彼女は高嶺の花
そうアップタウンガール
そんな彼女

放課後の教室
僕は忘れ物を取りに行く
そこに彼女はいた

僕は見てしまった
彼女は泣いていた
僕に気づくと

彼女は素知らぬ顔で
いつもの綺麗な顔に
戻った

どうしたの
いままで話したこともないのに
僕は声を発していた

彼女は僕を無視した
窓の外を見ている
僕は

僕は
自分でも驚いた
なんでこんなことしたのだろう

彼女の手を握り
大丈夫かい
そう聞いていた

大丈夫じゃないのは僕だ
それなのに
そんなことした僕がいた

彼女は
驚いた顔で僕を見た
でも手は離さなかった

しばらく
そのまま
時間が過ぎた

彼女の手から
ざわつきが消えていくのが
なぜだかわかった

ありがと
彼女は
僕を見て笑った

そしてこういった
君のこと
知らないよ

僕は
笑ってうなづいた
誰だっていいじゃん

彼女も笑った
ふたりは
手をつないだまま

そう
手をつないだまま
教室を出て行った

ふたりの時間が始まる
そんな宇宙の
とある時間