僕は動き出す


池に石を投げてたら
そんなことするもんじゃない
知らない人から怒られた

別にいいじゃないか
誰かに当たるわけでもない
僕は池に投げているだけだ

知らない人は言った
池に当たっている
それは自然を壊すこと

何言ってるの
僕にはわからなかった
変な人だなと思った

知らない人は続けていった
池だって痛い
投げられた石だって痛い

池は静寂を壊され
投げられた石は
永遠に池の中

池の奥深く
太陽の日差しが届かない泥の中
永遠に閉じ込められる

それを君が
君の何もない暇つぶしが
そうさせる

わかるわからないではなく
わかろうとしない
そんことするもんじゃない

知らない人は
そう言い残すと
どこかに行ってしまった

変な人だな
そう思ったけど
僕は少し気になった

わかるわからないではなく
わかろうとしない
その言葉が気になった

僕は無意味に石を投げていた
何も考えず
何もわかろうともせず

僕は無意味に生きていた
何も考えず
何もわかろうともせず

それを指摘されたような気がした
あの人はだれだったのだろう
なぜそんなことがわかったのだろう

でも
もうそんなことはどうでもよかった
僕は動き出した

止まっていた時を進め始めた
だって
ものごとには全て意味があるのだから

だから
僕も意味のある僕になるんだ
僕は動き出す