大事なこと


僕はね
寂しがり屋で
臆病で
それでいて見栄っ張りで
プライドばっかり高くて
いつも相手を見下して
自分に嘘をつきながら
生きてきた
 
彼女はね
寂しがり屋で
臆病だけど
そんなことは心の中
常に前を向いて
上を向いて
誰にも優しく頼もしく
力強く生きていた
 
そんな彼女が僕に言ったこと
君は君であればいい
言われた僕は驚いた
もっと頑張んなよ
そう言われると思ってた
だけど彼女はお見通し
君は君であればいい
僕の目を見てそういった
 
僕はわかっていた
しなきゃいけないこと
すべきこと
だけどできない自分がいた
しようと思っても
できない自分がそこにいた
そんな僕のこと
とっくに彼女はお見通し
 
人はね
できるできないじゃないの
知ってるか知っていないか
知ろうとしているかしていないか
それが大事なの
だからあなたも私も同じ
そんなあなたで居続けて
彼女は笑ってこう言った
 
僕は
なんか気持ちが楽になり
いつものように空を見上げたら
そこには
いつもと違う空があって
前に向き直って
彼女の顔を見つめたら
愛しい想いが湧き出した