名もなき僕


花が咲いていた
とてもいい匂いのする
綺麗な色の花

僕はこの花の名前を知らなかった
知りたいと思ったけど
教えてくれる人もいなかった

名もなき花は
いつからここで咲いているのだろう
僕のこと知っているのだろうか

鳥が鳴いていた
とても美しい声で
気持ち良さそうに鳴いている

どんな鳥なんだろ
僕は鳥を探した
見つけたと思ったら鳥は飛んで行ってしまった

あの鳥は
どうしてここで鳴いていたのだろうか
僕に聞かせようとして鳴いていたのだろうか

この僕は
あの花や鳥にとって
どのような存在だろうか

僕に興味を持ってくれているだろうか
あの人誰だろう
でしかないのか

あの人今日は嬉しそう
あの人今日は寂しそう
と感じてくれているのか

僕らは繋がっている
すべて繋がっている
だから僕らは一つ

僕らは一人じゃない
決してない
みんなが見ているから

花や鳥たちにとって
僕は名もなき僕だけど
僕らは繋がっている