熱狂


昨日サッカーの試合を見に行ったら
たくましい選手たちがすごいプレーを見せていて
それを応援する何万人もの人たちがいて
僕は怖かった

芝生の上で躍動する選手たちはヒーローだ
選ばれし者たち
もちろんすごい努力をしてきたのだろう
皆が輝きを放っていた

その選手たちのプレーに熱狂する観客
一心不乱に声を送り
体をゆすり
時に歓喜し時に罵声を浴びせる

純粋にプレーをゲームを楽しんでいる
だけでなく
一糸乱れず応援歌を歌い
一糸乱れず声援を投げかける

統制のとれた熱狂
そんな言葉が相応しいと思ったけど
そんなことはどうでもよくて
自分ではなく他人に熱狂する姿が怖かった

彼らも本当は自分に熱狂したいんじゃないのだろうか
僕は自分に熱狂したい
ピッチで躍動する選手たちのようにはなれないけど
ささやかな躍動かもしれないけど自分に熱狂したい

他人を励まし応援することはとても素敵なことだ
だけど熱狂は僕だけのものだから
僕は僕自身のために
熱狂したい

ささやかな自分でしかないけれど
自分がすること
できることに
熱狂できる僕でありたい