豆苗


窓の側で豆苗の苗が育てられていた
すごい勢いで
伸びていく
毎日毎日
太陽の方に向かって
太陽の光を求めて
たくましく
果敢に
僕は羨ましかった

夕食の時間
あの豆苗が炒め物となって
皿の上に乗っていた
彼らは青々としていて
艶やかで
いい香りがしていたが
あのたくましく
果敢な姿は
もうなかった

美味しいね
彼女がいった
そうだね
僕はうなづいて
少し申し訳ない気持ちになったけど
僕らがしていることは
こういうこと
これが僕らの毎日だということに
気づいていないだけ

だから僕は気づきたい
生きているもの
存在しているもの
全てに
そして一緒に
生きていく
僕らはたくましく
果敢に
生きていく

次の日
あの豆苗の苗は
新しい芽を出し
太陽に向かって伸びていた
たくましく
果敢に
僕らも同じ
僕らも一緒
生きていく