さくら


桜の花びらが
降り注ぐ

僕の頭に
僕のこころに

花びらは
花びらのようで

実は
花びらではなくて


あの真っ黒な木の涙

嬉しくて
悲しくて

一年に一回
可憐な涙を流す

その滴に
打たれた僕は

一年に一回
齢の重なりを知る

キレイだな
そんなことをつぶやく

よく見てご覧
本当に美しいのは

あの真っ黒な木
そのこころ

一年に一回
思い出すがいい

桜の季節