木もれ陽の中を歩いていたら
まるで森が生きているように感じて
僕も生きているから
一緒だ
そう思ったら
僕らは一つになっていた
暖かくて
涼しくて
清々しくて
それはそれは
幸せな気持ちで一杯になって
昔からそうだったな
そんなんことに気づいて
緑の匂い
土の香り
小川の気配
生き物の鼓動
すべてが一つになっていた
誰かが僕の名前を読んでいる
帰らなきゃ
そう思ったら
僕は小道に佇むひとりの人間となり
僕を呼ぶ声に振り返った
僕はひとりじゃなかった
それに気がついた僕に
森のみんなが笑っていた
まだ早い
そう言って
手を振っていたから
僕も笑って手を振った