幻想

 

飛行機が飛んでいた

大きな大きな

真っ白な飛行機

 

鳥かと思った

羽ばたくように

飛んでいた

 

飛行機は

大きなお腹を見せて

そこから何かが出てきた

 

その何かは

空中で大きく煌めき

僕らはいなくなってしまった

 

ということはなくて

その飛行機は

どこかに行ってしまった

 

その飛行機は敵だったのだけど

今は味方らしい

どこかに行ってしまった

 

本当だろうか

敵だったのに今は味方

いつかまた敵になる

 

その時

あの鳥のような飛行機は

お腹から何かを放り出すのだろうか

 

いつかと同じように

僕らは空を見上げ

僕らはいなくなってしまうのだろうか

 

かつての敵は

味方であり

敵になる

 

幻想

僕らはいったい何を

信じているのだろう