草むらの中

 

いつもの道に

いつもの猫がいる

 

その猫は

いつもの茂みに入っていく

 

道の脇の草むら

ぽっかり空いた穴

 

その猫は

するっと入っていく

 

僕は思い切って

その穴に入ってみた

 

草むらの中は

猫の住処

 

じゃなくて

見たことのない

 

世界

知らないのは僕だけ

 

気がついたら

ベンチの上に座っていた

 

膝の上にはさっきの猫

僕を見て笑ってる

 

だから

僕も笑ってみた