夏の日


夏の終わりに花火が上がり
二人で空を見上げたよ
大きな大輪 頭上に広がり
漆黒の空に 溶けていく

隣に浴衣姿の君がいて
華奢な腰にうちわをさして
くちびる少し開いたまま
空を見上げて真剣な顔

そっと肩に手を伸ばし
やっぱりやめて手を戻し
所在無さげにぶらぶらしてたら
彼女が僕の手握ってきた

体に響く花火の音
心の奥まで届きそう
つないだ二人の手を伝わって
互いの体に響き合う
互いの心に響き合う

夏の終わりに花火が上がり
僕らは初めて手をつなぎ
ふたりの心は希望に満ちて
新たな夏が始まった