美しさ


真っ赤な葉っぱ
黄金色の葉っぱ

あんなに青々と
太陽の輝きを全身に浴び
生きる逞しさと
生まれてきたばかりの
みずみずしさを
全身で感じさせていた
あの葉っぱたち

半年ばかりの間で
彼らは赤くなり
黄色くなり
やがて水分が抜け
枝から落ち
体がパリパリに乾き
砕けて風に飛ばされて
土に還っていく

それまでの
つかの間のあいだ
彼らは真っ赤に燃え上がり
彼らは黄金色に染まり輝く
緑一辺倒だった山や野の
景色を一変させ
その美しさは
僕らの心を落ち着かせ
僕らに冬に向かう決意を
抱かせる

土に帰った葉っぱたちは
やがて
太い大きな幹に
吸収され
また
来るべき時の準備を行い
来るべき時に
新たな葉っぱとなって
生まれてくる

僕らは歳をとると
しわが増え
髪が白くなり
体からみずみずしさが消えていく
葉っぱたちと同じように
僕らはどこへ向かうのだろう
それは誰にもわからないし
知らないこと

大事なのは
葉っぱたちと同じように
僕らもその時々に
その時々の美しさを
見出していかなければいけないということ
新しいことの美しさ
古いなりの美しさ
それが僕らを美しくする

新しさを装い
古さを装っても
装っているだけ
僕らは
その時々の僕らが
美しくなるよう
生きていかなければならない