満月


昨日は満月で
せっかくだから
空を見上げたら
ものすごいスピードで
月が流れていった

と思ったら
月を覆っていた
黒いグレーな透き通ったような雲が
ものすごい勢いで
流れていた

僕は月が
どこかに逃げようというか
どこかに行こうとしているようで
びっくりしたけど
月の気持ちになった

どこかに行きたい
行っちゃいたい
きっと月も
そう思ったんだと
僕は思った

だって
月は生きている
僕らが生きているように
月だって生きている
当たり前じゃないか

だって
僕らは生きてるんだもの
まわりの自然だって
みな生きている
気づいてないのは僕らだけ

だから
僕は月になって
月と一緒に旅に出る
この宇宙の大海原を旅に出る
そして彼女に会う

会ったらこう言うんだ
久しぶり
元気だったかい
何事もなかったかのように
言うんだ
久しぶり
元気だったかい
僕は元気だよ
何言ってんだよ
泣いてなんかいない
やと会えた
うれしいよ

僕はきっと変な顔してる
そして月は三日月で
僕よりもっと
変な顔して
笑っているのさ