クリームソーダの海


クリームソーダみたい
冬の海
穏やかだけど
冷たくて
雲と海とが
一緒に混じり合って
光が差し込んで
素敵だ

いくつもの
鳥が
海面で
波に身を任せている
寒くないの
冷たくないの
なんで平気なの

平気なんかじゃない
鳥たちは冷たいはず
ぼくらみたいに
ストーブにあたるわけでもなく
たくさん服を着るわけもなく
暖かくなる術を知らないだけ
彼らは寒くて冷たいんだ

鳥たちは
つらいんだ
寒くて
冷たくて
それでも
我慢してるんだ
しょうがないんだ
耐えているんだ

なぜ耐えられるのか
暖かさを知らないから
ストーブを知らないから
服を着ていないから
だからじっと耐えている
そういうものだと思っている
悲しいね
違う

彼らにしか
感じられない
見えない
ものがある
僕らには
とっくに
見えなくなってしまったもの
かけがえのないもの

クリームソーダの海
彼らには
どう見えているのだろう
僕は知りたい
どうしても
僕は知りたい
だから
一緒になるんだ

鳥や
海や
クリームソーダや
冷たさや
寒さと
そう
一緒になるんだ