僕のヒーロー


彼女は僕のヒーローだ
ヒロインじゃない
ヒーローだ

なんでかって
彼女はとにかくすごいんだ
みんなから注目の的

ほんとすごいんだよ
誰も彼女にかないやしない
スーパーマンだ(スーパーガールではない)

そんな彼女が
僕の彼女で
僕は誇らしくて
だけど誰にも言えなくて
彼女も誰にも言わなくて
二人だけの秘密で
二人だけの内緒で
二人は秘密のキスをして
僕らは
愛し
合っていた

そんな二人
二人の内緒は
いつのまにか
みんなにばれて
なぜか
責められたのは
僕だけで
僕だけが
悪者で
彼女から引き離されて
惨めだった

彼女は
僕のこと
素知らぬふりして
合図を送った
あそこで会おう
僕は嬉しくて
嬉しくて
とても嬉しくて
そこに行ったら
知らない人たちがいて
殴られて
蹴られて
その場に捨てられた

そんな僕は
泣きながら
涙で霞んだ
空を見たら
変な顔した
三日月がいて
変な顔だな
と思っていたら
彼女だった

彼女は
ごめんね
一言だけ言うと
僕を抱きしめ
僕と一つになり
僕らは一緒に
月になった
わかっただろ
だから月は
三日月は
あんな変な顔をして
いるけど
きれいで
とても綺麗で
輝いている
限られた光の中で
僕らは
愛し合っているんだ

いいだろ