世界


ペロペロキャンディー
を舐めていたら

大の大人がおかしいね
そんな目で見られて

少し恥ずかしかったけど
かまうもんか

ペロペロキャンディーは透き通っていて
かざして前をみると

世界中が真っ赤になっていた
少しゆがんできらめいていた

なかなか綺麗な世界だな
こっちが本当の世界かも

そう思いながら
その世界を一気に舐め込んだら

目の前の世界が消えて
僕は一人になってしまった

そこは白く輝く何もない世界
僕は一人で立ち尽くしている

そうか僕が世界と思っていたのは
僕が思っていたからで

本当は何もない
何もないんだなあ

そう思ったら
僕も消えてしまった

本当は何もない
僕もいないんだ

一瞬だけそう思ったけど
もう僕はそこにはいなかった