音楽


絵を見ていた
一枚の大きな絵
緑で青くて
葉っぱや楽器が書かれていた
なぜかその絵が気になって
しばらくの間ずっと見ていた

なぜだろう
なぜこの絵が気になるのだろう
そう思ったけどわからなかった
その絵は技術的にすごいものとは思えない
僕にでもかけるんじゃないか
そんな絵だった

しばらくして
僕はその絵のことを忘れていた
いつもの日常
いつものつまらない日々が続いていた
何かしているようで
何もしていない日々

でも時々
あることに気づいて
嬉しくなった
それは
自然を見つけた時
素晴らしい自然に出会えた時

その時
僕は気づいた
あの絵の素晴らしさ
あの絵の自然を
自然の姿を描いているのではないのに
あの絵は自然だった

僕が求めているものが
あの絵にはあった
だから気になって気になって
仕方がなかったんだ
そう思ったら
僕は急に絵を描きたくなって

描こうと思ったけど
描けるわけもなくて
どうしようと考えていたら
僕はあの絵の中にいて
自然と一体となって
幸せに楽器を弾いていた

これか
これが僕が求めていた幸せなんだ
そう思ったら嬉しくて
楽しくて
どうしようもない気持ちで前を向いたら
僕のことを見ている僕がいた