黄砂がやって来たらしい
遥か遠く
大陸から
風に乗って
来たくもないのに
ずっとそこにいたいのに
風のやつめ
大きなお世話だ
黄砂はずっと昔からそこにあった
そこで暮らしていた
家族もいた
友達もいた
でも
風に吹かれて
異国に飛ばされちゃった
行きたいなんて一言も言ってないのに
異国の砂は黒かった
馴染めないね
僕らの神々しい黄色
生まれつきだよ
でもいつの間にか
黄砂は異国の砂と一つになった
黒く見える砂山となり
今日も風に吹かれてる
僕らはそうやって旅に出る
ずっと同じ場所にいてはいけない
そういう生き物
それが僕らが旅立つ理由