与えられた時


うまくいかないな
そんなこと思いながら歩いていると
目の前を蝶々が横切った

白い蝶々は
羽をばたつかせて
揺れながら飛んでいた

どこに行くのだろう
どこか行くところはあるのだろうか
そんなことを思った

蝶々は
なんのために生きているのだろう
そんなこと考えたことあるのかな

毛虫の時と
蝶々の時
どちらが本当の姿なのだろう

白い蝶々は
僕の前を横切ると
田んぼの方に行ってしまった

毛虫の時と
蝶々の時
与えられたその瞬間を

懸命に生きているだけかもしれない
生きている意味
そんなの考えてもしょうがない

懸命に生きるのが先
与えられた僕自身なのだから
蝶々は教えてくれた

もしかしたらあの蝶々は
それを教えるために
生まれてきたのかもしれない

あの蝶々は誰だい