トンボ
お墓の前で
アレヤコレヤ話をしていたら
いつのまにか隣のお墓のとうばに
トンボが止まっていた
トンボはじっとこっちを見ている
青いシオカラトンボ
面白くなって
アレヤコレヤとトンボに話しかけてみた
トンボは黙って聞いてくれたけど
当たり前だけど
何いうわけなくて
僕はバカだなあと思って
それでもトンボはそこにい続けるものだから
アレヤコレヤの話の続きで
僕はどうしたらいいのかな
と聞いて見た
もちろんトンボはなにいうわけでもないけど
それでも僕はなぜだかスッキリして
お墓に向き直って
頑張るよと言って見た
そして振り返ってトンボを見ると
もうそこにトンボはいなかった
あたりを見回したけど
その姿はどこにもなかった
空には一面の青い空
白い白い雲が漂っている
僕は墓石に水をたっぷりかけ
手を合わせて目をつぶった