雨降るとき


雨が上がると
山から煙のようなものが立ち上る
水蒸気なのか霧なのか
幻想的な光景
 
しんと静まり返った中
汚れが洗い流され
山が呼吸をしているかのよう
そんな景色
 
生きている
自然も息をしている
それが
見える時
 
僕らはいつも一つの方向からしか物事を見ることができない
見えるということの意味がわかっていないのかもしれない
知っているけど知らないふりをしているのかもしれない
 
山はそこにあるもの
ではなく
そこにいるもの
 
そして僕らも
そこにいるものの一つ
自然の一つの構成品
 
だから僕らが自然を破壊していると思ってはいけない
破壊しているようで破壊されているのは僕らだから
だって僕らは同じ構成品
 
僕らが息をしているように
あの山も息をしている
もう少し近づいてみよう
 
そっと抱きしめてくれるかもしれない
そうしたら僕らも抱きしめてみよう
恋に落ちてしまうかもしれないよ
 
僕らは同じ存在
この世界を作りこの世界を壊すこともあれば愛することもある
雨降るときにわかるはず