一つになるもの


すごい雲だ
入道雲というのだろうか
青い青い空に
モクモクと
まるで何かが生まれたかのように
どこまで大きくなるのか
そのうちに僕らを飲み込んでしまうんじゃないか
そんな圧倒的な存在感で漂う雲

夏空
なのだろうか
そしてその雲の向こうには
真っ黒な雲が迫って来ている
雨雲なのだろう
すごいコントラストだ
青い空に白い入道雲と真っ黒な雲
何者にも敵わない光景

こんな空を見るたびに
敵わない
そんなふうに思うけど
同時に
敵う必要なんてない
そんなことにも気がついて
一緒になりたいな
そんなふうに思う

心配はいらない
しばらくすると
真っ黒な雨雲が雨を降らす
シトシトなんかじゃない
バチバチと地面を叩きつけ
土や草の匂いをあたり一面に撒き散らしながら
誰も敵いやしないあの光景と
僕らは一緒になれる

気づかなけれないけない
夜空に打ち上げられる花火より
ゴッホの絵画より
淹れたてのコーヒーより
おしゃれな彼女の水着より
子供の書いた純真無垢な似顔絵より
もっと素敵なものがあるってことを
僕らと一つになれるってことを