自分だけ


テレビをつけると
罵り合い
主張のぶつけ合い
いい大人たちが
太った大人たちが
自分たちは優れている
声だかに叫んでいる

緊張が高まっている
戦争になるかもしれない
ミサイルが飛んでくるかもしれない
どの番組でも
レポーターが伝えている
大変だ大変だ
みんな嬉しそう

みんな暇なんだ
他にすることがないんだ
何かを叫んでいる独裁者たちも
何もしたくない為政者たちも
それを伝える物知り顔の大人たちも
そして
誰かが何かしてくれるのを待っている僕らも

だって
みんな顔色もいいし
太っているし
楽しそうだし
家庭があるし
生きていくことに対する
危機感なんて微塵もない

暇だから
することがないから
自分が最高だ
自分が一番だ
自分だけが得していたい
それを与えて欲しい
それを維持して欲しい

自分が最高でいたいなら
自分が一番でいたいなら
自分自身でそう思えればいいことなのに
人に決めてもらうことではないし
人に認めてもらうことでもないのに
自分で決めること
自分で感じることなのに

生きていることは暇だけど
自分だけの
大切なものだから
かけがえのない時間だから
人を巻き込む暇なんてないはずだ
自分のことだけを考えて
自分で自分自身で感じることが必要なんだ