ぶどう


ぶどうの季節らしい
大きいの小さいの
黒にむらさき黄緑もある
丸く可憐な玉のよう
みんなで房を構成する

どうしてこんな形なの
僕らが食べやすいようになの
玉は皮に守られて
奥には大切なタネがある
しっとり守られ生きている

ぶどうを口にほうばると
ぽっこりほっぺが膨らんで
幸せ香りが立ち上り
幸せ瞬間訪れる
タネを放り出し笑い出す

どうしてこんなにたくさんなの
玉は一つでいいじゃない
なんでみんなで織り成すの
そうなるのには理由があるなら
僕にも教えてくれないか

僕はどうしてこんな形なの
僕はどうしてこんな顔なの
僕はどうして眉毛が太いの
僕はどうして生きているの
僕にも教えてくれないか

ぶどうはぶどうの生き方が
僕には僕の生き方が
あるからこうして生きている
ぶどうの素敵な人生は
何を感じているのだろう

甘く酸っぱく僕らを喜ばせ
時にはジャムにも変身し
赤や白のワインにもなる
そんな素敵なぶどう達
僕も君みたいになりたいな

人を喜び笑わせて
幸せ運び知らん顔
時には酔わせて励まして
僕らを励まし応援し
大切なタネを育てている

そんなぶどうになりたいな
僕もぶどうになりたいな
僕は僕になりたいな
大切なものを育てている
僕もぶどうになりたいな