真っ赤


山が紅葉していた
山はキャンバスのよう
自然が色づき
美しさ
ただただ存在している

葉っぱが
いろんな色に染め上がる
黄色
オレンジ色
そして赤色

黄色やオレンジはわかる
緑色の青年が役目を終えて枯れる色
それが日に輝き美しさを醸し出す
老齢なりの美しさ
時の終わりを感じる色

だけど赤色は違う
なぜあんなに真っ赤に染め上がるのだろう
枯れる?
そんなことはないはず
だって真っ赤なんだ

なぜあんな燃え上がるような色になる
落ち葉になる直前なのに
真っ赤
彼らは何かを知らせたいのかもしれない
自分が生きてきた証

老いたら相応にしたらいい
みんなそう思う
黄色やオレンジになればいい
だけど奴は違う
真っ赤になるんだ

真っ赤になって
自分の存在を最後に知らしめる
俺はこんなことができる
こんなすごい奴なんだと
それがあの赤色

たくさんの山々の緑
秋には紅葉となって色づく
美しさ
みんなに知らしめる
そして真っ赤な彼がいきり立つ

俺を見ろ
俺の生きてきた証
俺の素晴らしさ
俺の人生
俺の美しさ

美しさ
そん人生を歩みたいじゃないか
真っ赤になって
みんなに教えてやるんだ
俺は生き抜いたんだぞって