霧の中


その街は霧で覆われてた
晴れているはずなのに
近くにあるはずなのに

僕らは雲の中にいるようで
まるで迷子になってしまったかのように
さまよい歩いていた

前から明かりが見えた
車のヘッドライトのようだ
光は霧に反射して空気が歪んでいるようだった

どこにきてしまったのだろう
どこにいるのだろう
そう思って気がついた

霧があってもなくても同じ
僕らはいつも同じこと考えている
僕らはどこに行くのだろう

だから見えるものを見ようとするのではなく
感じること
気づくこと

それに気づいたら
いつのまにか
霧が晴れていた