葉っぱ


大きな葉っぱが
僕に語りかける

今日は何してたの
明日は何するの

大きな葉っぱは
深い深い鮮やかな緑色で

陽の光を浴びては
堂々とその存在を示している

ねえ何するの
時間がもったいないよ

僕に聞いてくる

それじゃあと僕が聞く
君は何をしているんだい

葉っぱは答える

僕は生きている
清々と生きている

陽の光を一身に受け止め
堂々と生きている

だから聞くんだ
君は何をしているのかと

僕だって生きている
精一杯生きている

そう言おうとしたけど考えた
僕の精一杯とはなんだろうか

僕は精一杯生きているのだろうか
あの青々とした葉っぱのように

僕は考えた
何日も何日も考えた

そして気づいた
だから葉っぱに答えようとして
 
葉っぱを見たら
葉っぱはすでに枯れていた

茎の根元には
小さな芽が膨らんでいた

そしてその芽は僕に向かってこう言った
さあ始まりだよ

はじまりはじまり
君の物語の始まり

葉っぱが芽吹いたら
きっと教えてやる

はじまりはじまり
僕の物語の始まり