この世界


ゴルフをしていたら
ボールを打とうとしていたら

蝶々がとまった
打とうとしていたボールにとまった

蝶々は
それはそれはキレイで

僕は見とれてしまっていたら
早く打てよ

そんなことを言われたので
僕は打つのをやめて

蝶々と一緒に
ゴルフ場をあとにした

蝶々は僕を背中に載せ
田んぼや川の上を飛びまわり

それはそれは
素晴らしい景色を僕に見せてくれた

僕が重かったからか
蝶々はだんだん疲れてきて

地面に降りてしまったら
ゴルフ帰りのクルマにひかれてしまって

辺り一面にきれいな色の粉が飛び散って
世界の色が変わってしまった

僕らがこれまで見てきた色は何だったのか
そんなことを思うほど

それはそれはこの世界はキレイで
とにかくキレイで

気がついたら
僕もその世界の一部になっていたから

嬉しくて
誇らしくて

声を上げて泣いちゃった