空を飛んだ夜

 

なぜか

思い出した

 

子供の頃

幼稚園にも行っていない小さな頃

 

皆が寝静まった夜

 

僕は空を飛んだ

空から街を見ていた

 

僕の家が見えた

近くの酒屋さんも見えた

 

僕は間違いなく

空にいいた

 

僕は一人ではなく

何かの背中に乗っていた

 

白くて

柔らかくて

 

暖かくて

優しくて

 

オバケ?

そう

 

その白い背中は

オバQだった

 

僕はQ太郎の背中に乗って

街を見ていた

 

美しい

とても美しい

 

きらめく町並みは

夜の景色は

 

初めて見るもので

怖かったけど

 

美しくて

楽しくて

 

それだけを

覚えていて

 

なぜか

思い出した

 

もしかしたら

ぼくはその時

 

オバケになったのかもしれない

オバK

 

もしかしたら

今の僕は

 

オバケなのかもしれない

オバk

 

なぜか

思い出した