歩く僕

 

歩いていると

ふと気づいた

 

僕は

歩く足を見ている

 

右 左 右 左 右

1、2 1、2 1、2

 

僕の足が

歩いている

 

僕の足は

僕の足ではないようで

 

このまま足だけが歩いていってしまうような

変な錯覚を感じたら

 

足は僕を置いて

行ってしまった

 

待ってよ

行かないでよ

 

僕を置いていった足は

振り返ってこう言った

 

早く置いでよ

おいてくよ

 

足が僕を迎えに来てくれて

また僕と一緒に歩き出した

 

右 左 右 左 右

1、2 1、2 1、2

 

僕らはいつもこんな感じだ

だから僕はいつも歩く足を見ている